2部

17章


 
ピーター・スティーブンソンは一番早いリムジンの時間が迫ったため窓から見下ろした。乗客はプレスカメラマンとテレビ作業員の群衆に夢中になっていた。スティーブンソンは満足気に微笑んだ。今のところは問題ない。たとえ今後何が起こったとしても、歴史上の自分の立場は保証される。自分はほとんど独力でこの会議をやり遂げることに成功した。 イスラエル人は、シリア人とレバノン人、そして、特にパレスチナ解放組織とつながっている1人のレバノン人と公的に握手することになっていた。譲歩は各方面から絞られ、1時間以内で歴史的公的声明が伝えられるだろう。
 
ただ悪い方へ行くことさえなければいい。スティーブンソンは目を閉じて空想に耽った。もし、PLOをやってこさせることができさえすれば・・・しかし、それにはあまりに要求が多すぎる。すでに見出しは見ることができた。それは平和への最重要のステップだった。サダトがイスラエルへ巡礼して以来のことだ。彼は貧しい男の不運な旅行より成功するようにと祈ったであろう。 もしかして何かうまく行かないことが起こることを考えるのを恐れた。彼らは全員核兵器を持っていた。レバノン人、シリア人、リビア人、そしてキリスト教民兵組織でさえも。誰もが腹立ちまぎれに大虐殺を始めることができた。しかし、スティーブンソンは自問自答した。うまく行かないわけないだろう?合意はすでになされた。後に起こることは単に政府の消費のために窓を装飾することだけだった。

 キングチャールズ通りに沿ってホワイトホールを見ると、イスラエルの車が到着しているのが見えた。新聞記者の間でひしめきあいが再開した。観光客の群衆が通りを埋め尽くしたが、ひとつとして旗はなかった。砕く斧をもたない単なる物見高人々だった。スティーブンソンは自分の暗喩ににやにやしてそれを心に記しておいた。彼は彼の混喩でにやにやして、それを覚えておいた。群衆が見に来ている。ここで自分たちが見たドアを出入りしている政治家たちを自分たちの子供に話すために。核兵器排泄運動の旗はひとつとしてなく、運命の預言者も1人もいない。抗議者たちはトラファルガー広場の惨劇で打ち砕かれていた。彼らは指導者を失い喪に服していた。 スティーブンソンは深呼吸をして鏡で外見をチェックして階段に向かった。60分以内で自分は偉大な調停者の1人として世界中いたるところで称賛されるのだ・・・。



 
セキュリティ上の理由によりフィリップ・ブレナンは国務長官と異なる車を運転していた。ブレナンは群集をちらっとみてあくびをした。いくつかのカメラが自分を狙い自分の白い歯が夕方のテレビニュースになることには気付いていた。
「大使、あなたが不健康を理由に呼び戻されることになっているという噂についてコメントをいただけますか?」
「いいとも。」
ブレナンは両側の側近が記者を制止しているところを押しながら通った。
「事実無根だよ。」
「具合はどうですか?」
「絶好調さ。」
とブレナンは言って再び自分が露出しているのに気がついた。コメントがみごとにあくびに伴っていた。みながそれをおもしろがるだろう・・・。

 ブレナンがドアを押し通って通路に入ると記者の叫び声は次第に消えた。ブレナンは会議室で彼の側近の1人の後を追って国務長官の後ろの自分の席に座った。大男が振り向き、怪訝そうに眉をひそめていると思われるように頷いて会釈した。ブレナンは秘書が自分が任務から逃れたあの日についてなんの為にと言ったか尋ねないことを望んだ。いったいあのローマへの旅行をどう弁明したらいいものか。 まだ・・・とブレナンは思った。自分がそれについて弁明できるものは何もない。会議が始まるとブレナンは議論好きな党派の間でのスピーチの相互作用に集中した。

  シリア人とレバノン人は互いの隣に座った。彼らの後ろはロシア人だった。OPECのグループは一緒に座っていた。イスラエル人はアメリカ人の右にいた。 ブレナンはスピーチを聞いて課題と照合しながらこれが自分の世界で現実の世界であり、狂った聖職者と悪魔の空想の世界でないことを意識していた。 ピーター・スティーブンソンの声はブレナンを空想から戻した。

 「提案します」
と彼が言った。
「東エルサレムの係争地域を含むシリアの代表を私が紹介しましょう」
 テレビカメラがマイクを軽く叩きながらメモに目を通している大きなシリア人を捉える為にスウィングした。カメラは後生のために調印するこの特別な出来事に参加することを許されたたった一つのメディア代表としてここにあった。

 そのシリア人は母国語で話したので、ブレナンは翻訳を聞く為にヘッドフォンセットを拾い上げた。そのシリア人がその名前に言及するまでグループは黙って聞いていた。その名はアラファト。幾多の暗殺未遂を乗り切ってまだ頑として権力にしがみついていた老人である。 伝説的なPLOリーダーの名前の言及でイスラエル代表派遣団の1人は立ち上がった。それはサイモンだった。彼がヘブライ語で何か叫んだ途端、ブレナンと残りの者たちは驚いてその小さい男を見た。 
 スティーブンソンは立ち上がってボクシングのレフェリーのように手を上げた。彼の顔から目に見えて血の気が引いていた。 警告なしで、サイモンは自分の前のテーブルを飛び越えて部屋を走って横切った。誰かが彼をブロックするために立ち上がったが、遅すぎた。サイモンは何かを持ち運んでいた。そして彼が手を振ると光がちらっと反射した。ブレナンは瞬きした。それは重いオニキスの灰皿だった。サイモンの手が弧を描き、そのシリア人の口を切った。男はうなってたじろいだ。歯が割れ、血がテーブルに吹き出た。サイモンは引っ張りだされる前に叫びながら男の上に飛び上がり再び男を殴った。

  2・3秒の沈黙があった。みなが愚かな闘いを見ていた。それから混沌があった。イスラエル人はサイモンの方へ押しかけシリア人とレバノン人は負傷した男の周りに群がった。代表者たちは互いに怒鳴り始めた。まるで自分が頭を叩かれたかのように頭を振りながら座っているスティーブンソンを除いて全員が立ち上がっていた。 
 静かにロシアの代表派遣団は書類を集めて部屋を出た。そして米国の国務長官がそれに続いた。ブレナンは彼の後を追って騒動の中部屋を後にした。代表者たちがパブで騒々しくケンカするようにお互い取っ組み合いをしていた。誰かが甲高い英語の声で命令したが、聞くものはいなかった。
 



 
ブレナンが自分の車に着く頃にはニュースはすでにラジオで報じられていた。そしてデスクに着く頃には外交のテレックスが鳴っており、壁の向こうで電話が鳴っていた。ブレナンがデスクから顔を上げるまで3時間たち、手が電話をつかむことに麻痺していた。 
 秘書がちらっと見て
「奥様が私にブーハー様の夕食の招待があると伝えて欲しいと言われました。」
と言った。 ブレナンは瞬きした。ブーハーからの招待なんてしらなかった。
「ディナーです。」
と女性が説明した。
「ペレフォードで。8時から8時半くらいに。たぶん忘れているだろうからとおっしゃいました。」
ブレナンは彼女に感謝した。
「「奥様が現在の状況からみてブーハー氏が最後の晩餐と名づけたと言っていたと伝えてくださいとのことです。」
「ご陽気なことだな。」
ブレナンは言ってお互いに陰気に微笑んだ。





政治の話は無知なので苦手だよ・・・と思いつつ・・・

・・大雑把に訳して
ひたすらつづきます


 

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